男性泌尿器科

前立腺肥大症

前立腺は加齢によって肥大しやすく、60歳以上の男性の3人に1人が前立腺肥大症とされています。トイレが近くなった、夜中トイレに起きる、尿の勢いが弱くなったなどの症状には、前立腺肥大症や膀胱疾患などが隠れている可能性があります。前立腺肥大症は、薬物療法や手術で治すことができ、ほとんどのケースでは薬の服薬によって改善させることができます。

前立腺がん

日本でも増加傾向にあり、採血だけで発見可能になっていることから早期治療できるケースが増えています。早期には症状が現れることはほとんどなく、前立腺肥大症と同様の、尿が出にくい、頻尿といった症状が現れることがあります。ある程度進行すると、血尿を起こすこともあり、周辺のリンパ節や骨に転移を起こすと痛みを生じることがあります。

急性前立腺炎

前立腺が細菌に感染して炎症を起こしている状態です。尿に含まれる細菌が原因で、疲労や睡眠不足で免疫力が低下して感染するケースが多くなっています。症状としては、38℃を超える高熱、排尿時痛、排尿困難、頻尿などを起こします。強い症状が急激に起こることが多く、悪化すると悪寒や関節痛、筋肉痛、排尿できない尿閉などを起こすこともあります。

​包茎

包皮を剥くことが全く不可能な真正包茎、包皮を簡単に剥いて亀頭を露出できる仮性包茎、剥いた包皮で陰茎が締め付けられて包皮を戻せなくなった嵌頓包茎があります。嵌頓包茎は危険な状態ですから早急に治療が必要です。

膀胱がん

血尿という自覚症状が早期に現れることが多く、早期発見しやすいがんです。痛みはないことがありますが、見た目ではっきり血尿とわかりますのでできるだけ早く受診してください。血尿以外では、頻尿、残尿感といったさまざまな排尿障害が現れることもあり、背中に痛みを生じる場合もあります。

腎細胞がん

腎臓は血液をろ過して尿をつくっていますが、腎細胞がんでは尿をつくるための尿細管細胞にがんが生じている状態です。男性の発症が多い傾向があり、肥満、高血圧、喫煙などにより発症リスクが上昇し、60歳以上の発症が多くみられます。早期には症状に乏しく、進行した場合も症状がほとんどないケースもありますが、肉眼でわかる血尿、腹部のしこり、発熱、体重減少、食欲不振、貧血、白血球の異常な増加（多血症）、腎機能低下、高カルシウム血症、高血圧などが現れることもあります。

腎盂尿管がん

腎臓でつくられた尿を集めて尿管に送り出すのが腎盂で、腎盂から膀胱までの間にあるのが尿管です。腎盂尿管がんは、腎盂や尿管内壁の尿路上皮細胞のどちらか、あるいは両方ががん化したものです。早期には肉眼でもわかる血尿を起こすことが多く、血液の塊のようなものが出ることもあります。こうした塊が尿管を塞ぐと水腎症を起こして背中が痛む場合もあります。

精巣がん

精巣がんは、若い世代の発症が多い傾向があり、精子をつくる精母細胞から発生するものがほとんどを占めると考えられています。痛みを起こすことがほとんどなく、進行するまで気付かないケースが多くみられます。片側の精巣が急激に大きくなる、腫れる、硬いしこりがある、軽い違和感があるなどで気付くこともあります。

性感染症

性行為による粘膜や皮膚の接触によって感染する病気の総称です。同じ病気にかかっても男女で症状の現れ方が異なることが多いので、ご自分の感染がわかったらパートナーが無症状でも検査を受ける必要があります。自覚症状がほとんどなく、無症状のまま進行して男性不妊・女性不妊の原因になってしまうことがありますし、放置していると母子感染を起こすものもあります。